荘村清志先生による「ギタークリニック」

 2021年3月21日(日)に、下関市民会館で開催された『橋元才平翁記念 第23回ファミリーコンサート 荘村清志・熊本マリ スペシャル・コンサート』は、ギター愛好家のみならず、市内外から訪れた沢山の音楽を愛する方々で盛り上がりました。

 コロナ禍において、例年のようにステージでの学生達との共演が出来ないとのことで、主催の下関市文化振興財団から当協会に提案があり、翌22日(月)にギターを学ぶ学生たちのための「荘村先生によるギタークリニック(レッスン)」が開かれることになりました。
 この絶好のチャンスに、4組(7人)の学生たちがチャレンジさせていただきました。参加者と受講曲は以下のとおりです。

星 陽介(高1)
ペルナンブコ作曲/鐘の響き
マイヤーズ作曲/カヴァティーナ
中嶋 麻貴(高専1)
ジュリアーニ作曲/ヘンデルの主題による変奏曲
●アンサンブル
 蔡 美雨(小2)、大槻 源太(小3)、尾山 悠斗(小3)、角屋 奏太(小5)
ドレミの歌
原田 蕗(中1)
ジュリアーニ作曲/フォリアの主題による変奏曲

 このようなレッスンを初めて経験する子どもたちも多く、緊張しつつも先生のアドヴァイスに一生懸命応えていました。とても貴重な経験をさせて頂いたことに感謝いたします。

(報告:事務局 塩田万希世)

“Tombeau” 濱田滋郎先生へ

 

山口県ギター音楽協会 会長 中野義久

 音楽評論家であり、フラメンコをはじめとしたスペインの文化や中南米の文化の研究家であり、スペイン語やフランス語の翻訳者でもあり、何よりギターとギター音楽に限りない情熱と愛情を注がれてきた濱田滋郎先生が2021年3月21日朝、逝去されました。享年86歳。
 大往生と言えるのでしょうけど、いざ失ってみてその存在の大きさを改めて感じるとともに、日時が過ぎるにしたがってギター界の中心を失った寂しさがひしひしと湧いてくるんだろう、と思います。

 濱田先生には、当協会行事にお出でいただく機会はついに訪れなかったですが、当協会主催のコンクールに出場して優勝・入賞した才能の何人もがステップアップして他のコンコールで優秀な成績を残した際に、ほぼ必ず審査員として濱田先生がいらっしゃいました。この先、当コンクール出身の若者が濱田先生に演奏を聴いていただくことはもうできません。でも先生がギターとギターを志す若者たちに注がれた愛情の万分の一でも、僕たちが受け継いでいけたら、と思います。日本中のギタリストが同じ思いではないでしょうか。

 今後とも、先生と直接間接にかかわったギタリストや愛好家だけでなく、今まで関われなかったり、今後関わる機会の持てない新たな専門家・愛好家を、等しく見守っていただきたいと思います。安らかにお眠りください。

在りし日の濱田先生と