“Tombeau” 濱田滋郎先生へ

 

山口県ギター音楽協会 会長 中野義久

 音楽評論家であり、フラメンコをはじめとしたスペインの文化や中南米の文化の研究家であり、スペイン語やフランス語の翻訳者でもあり、何よりギターとギター音楽に限りない情熱と愛情を注がれてきた濱田滋郎先生が2021年3月21日朝、逝去されました。享年86歳。
 大往生と言えるのでしょうけど、いざ失ってみてその存在の大きさを改めて感じるとともに、日時が過ぎるにしたがってギター界の中心を失った寂しさがひしひしと湧いてくるんだろう、と思います。

 濱田先生には、当協会行事にお出でいただく機会はついに訪れなかったですが、当協会主催のコンクールに出場して優勝・入賞した才能の何人もがステップアップして他のコンコールで優秀な成績を残した際に、ほぼ必ず審査員として濱田先生がいらっしゃいました。この先、当コンクール出身の若者が濱田先生に演奏を聴いていただくことはもうできません。でも先生がギターとギターを志す若者たちに注がれた愛情の万分の一でも、僕たちが受け継いでいけたら、と思います。日本中のギタリストが同じ思いではないでしょうか。

 今後とも、先生と直接間接にかかわったギタリストや愛好家だけでなく、今まで関われなかったり、今後関わる機会の持てない新たな専門家・愛好家を、等しく見守っていただきたいと思います。安らかにお眠りください。

在りし日の濱田先生と

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